擲筆仰天咲(てきひつ)

筆を擲(す)て天を仰いで咲(わら)う

聖書の化学反応〈箴言25:20〉

聖書には化学反応が載っています。載っているのは聖書の中でも面白い表現がたくさん出てくる箴言です……

「弱酸の追い出し反応」または「弱酸の遊離反応」は、弱い酸の塩に強い酸を加えて、化学平衡(弱酸塩 + 強酸 ⇄ 弱酸 + 強酸塩)を移して、弱い酸を遊離させ強い酸の塩を作る反応です。

箴言25:20にはこうあります:

心配している人の前で歌を歌うのは、

寒い日に服を脱ぐようなもの、

ソーダの上に酢を注ぐようなものだ。(新改訳2017)


Like one who takes away a garment on a cold day,

or like vinegar poured on soda,

is one who sings songs to a heavy heart. (New International Version)

寒い日に服を脱げばゾワっと鳥肌が立ちます。ソーダに酢を注げはシュワっと泡が出ます。心配している人の前で陽気に歌うのは、緊張を増幅させ、心を乱させ、平安からさらに遠ざける行為だということなのでしょう。

ここに弱酸の追い出し反応が書かれています。古代の人々に一番馴染みのあったソーダといえば、炭酸水素ナトリウム(重曹)でしょうか。化学反応式は以下のとおりです。

NaHCO3 + CH3COOH → CH3COONa + CO2↑ + H2O

弱酸のカルボン酸によって、さらに弱い酸の炭酸(二酸化炭素)が追い出されています。聖書に化学反応が載っているのは面白いですね。